防犯カメラの設置で家族を守る|カメラの種類や効果的な使いかた・注意点

防犯カメラの設置で家族を守る|カメラの種類や効果的な使いかた・注意点

防犯カメラは人物の顔を特定するだけでなく、犯罪抑制にも効果があります。
防犯カメラの存在だけで空き巣や泥棒が侵入をあきらめることも、少なくありません。
しかし家族や大切な人を守るために、どのような種類の防犯カメラをどのように取り付ければ良いのか、迷うかたも多いのではないでしょうか。
ここでは防犯カメラの効果や種類、それぞれのメリットデメリットなど、防犯カメラのあれこれについてご紹介します。

防犯カメラの効果

防犯カメラはその名のとおり、犯罪を防ぐためにあります。
家庭に設置すれば、次のような防犯効果が得られます。

空き巣・泥棒が侵入を躊躇する

空き巣や泥棒がもっとも嫌うのが、目立つことや見られることです。
カメラがあるというだけで、侵入を躊躇する可能性が高くなります。
そのため最近では、カメラの存在だけをアピールするために、ダミーの防犯カメラも販売されています。しかしダミータイプはカメラの知識がある空き巣・泥棒からすれば見分けることは難しくないため、あまりおすすめしません。

カメラの存在自体が防犯にもつながる
カメラの存在自体が防犯にもつながる

万が一が起きた際、犯人特定がしやすい

万が一空き巣や泥棒に侵入されたとしても、カメラに顔が写っていることで犯人の特定がしやすくなり、事件解決までの時間が短縮できます。それ以外にも家のまわりに不審な人物が写っていた場合、ご近所で映像を共有するなど、地域全体の防犯対策にも貢献します。

屋内設置で家族・ペットの様子を見守れる

防犯カメラは外に取り付けるものばかりではありません。屋内に取り付けることで、目の届かないところにいるペットや子供の様子を確認できます。スマホと連動しているタイプなら、外出先からもチェックが可能です。

防犯カメラの種類

防犯カメラは大きく分けて、有線タイプ無線タイプその他の3つにわけられます。 それぞれの接続方法やメリットデメリットについて知り、ご自宅にはどのタイプがぴったりか考えてみましょう。

防犯カメラの種類1.有線タイプ

有線タイプの防犯カメラは、下記のケーブル機器同士を繋いでいます。

  • カメラの電源ケーブル
  • カメラから録画機器へのケーブル
  • 録画機器の電源ケーブル
  • 録画機器からモニターへのケーブル
  • モニターの電源ケーブル
有線カメラは、アナログタイプもまだまだ多く使われています。
アナログタイプの場合、データをデジタルに変える変換ケーブルが必要になることもあります。

有線カメラのメリット

有線カメラは無線タイプよりも、画像の送受信が安定しています。動画についても同じで、カメラが映している映像とモニターで再生される映像に、タイムラグが少ないのが特徴です。そのため、リアルタイムで映像を確認したい方に向いています。

有線タイプは外部から 映像を妨害・傍受されることもほとんどありません。
防犯カメラのタイプの中では、もっともセキュリティ面・安心面に優れているといえます。

有線カメラのデメリット

一方で、デメリットは線(コード・ケーブル)の多さです。カメラから録画機器まで繋げるケーブルが必要なため、外に防犯カメラを設置する場合、非常に長いケーブルで結ばなくてはなりません。
そのため「ケーブルのせいで家の景観が悪くなる」と敬遠される場合もしばしばあります。
高画質・超画質タイプのカメラならそれに合わせてケーブルも太くしなくてはならないため、さらに目立ってしまうでしょう。

しかしカメラのタイプによってはカメラの電源と録画装置へのケーブルを一体化できる「PoE(Power over Ethernet)給電」(LANケーブルで映像や音声を流すだけではなく電源をカメラへ送ることができる)や、「PoC(Power over Coax)給電」(同軸ケーブルで映像・音声・電源をまとめてやり取りすること)に対応しているものもあります。
こちらのタイプなら、有線でもややすっきりした印象になるでしょう。

なお有線タイプは空き巣や侵入者にもケーブルの場所を把握されやすいです。そのため証拠隠滅のために、カメラと録画機器を結ぶケーブルを切断されてしまう可能性もあります。
切断を防ぐためにケーブルは配管内に収めたりカバーをするなどの処置、またはケーブル断線でアラートが鳴るといったシステムがあるタイプを選んだりすることで防止できるでしょう。
さらに外に防犯カメラを設置する場合、ケーブルが風雨や紫外線にさらされないよう配慮も必要です。対候性ケーブルもありますがPF管や塩ビ管で配管したほうが見栄えもよく対候性、防犯性能もあがります。ただし工事料金は割高になることが多いでしょう。

防犯カメラの種類2.無線タイプ

無線タイプのカメラの場合、下記のケーブルのみで使用できます。

  • カメラの電源ケーブル
  • 録画機器の電源ケーブル
  • モニターの電源ケーブル
無線タイプというと、ケーブルがまったく必要ないとイメージする方も多くいるのではないでしょうか。実際は、各機器の電源ケーブルが必要になります。
無線カメラとは
無線カメラと言っても線(コードやケーブル)がまったくないというわけではありません

無線タイプのメリット

無線タイプのメリットは、何といっても本体とカメラをつなげるケーブルがないことです。設置も簡単なため、素人の方が取り付ける場合も多くあります。また配線を考えなくても良いため、高いところといった有線では取り付けが難しい場所にも設置できます。

コスト面でも優れており、無線カメラは録画機器とモニターを一体化させ、カメラとセットで販売する場合も珍しくありません。
家庭用で設置も金額も手軽に、と考えているかたにはぴったりだといえます。

また多くの無線カメラが、スマホやPCとの連動も可能です。そのため、出先でも映像が確認できます。スマホやPCと連動させるにはいくつかの方法がありますが、ほとんどの無線カメラが専用のアプリを配信しています。
アプリをダウンロードして連動させるのが、もっとも簡単で手軽な方法です。

無線タイプのデメリット

無線タイプのカメラは、無線ゆえに映像が安定しにくいです。
「〇〇m届くとうたっている無線カメラなのに映像が映らない」というトラブルは、多くあります。実際に無線で長距離を結び問題なくモニターに映すには、カメラとモニターの間に障害物や電波に干渉するものができるだけ少ないことが望ましいと言えます。

さらに、ワイヤレスカメラの中には、周波数帯2.4GHz帯のみしか対応していないタイプも多くあります。2.4GHz帯での通信速度には定められた上限があり、高画質の画像の場合は伝送がうまくできないことも珍しくありません。また、2.4GHz帯の周波数は他の電子機器の干渉を受けやすいです。電子レンジやbluetooth、wi-fiといった家電や無線機器の影響で、受信映像が乱れる可能性もあります。

電子機器以外にも、無線タイプの防犯カメラは金属にも弱いです。カメラから録画機器・モニターまでのあいだに金属素材が含まれていると、映像の受信がしにくくなります。外壁の塗料にも金属が含まれている場合があるため、カメラ設置前に確認をしたほうが良いでしょう。無線アンテナを延長するケーブルもありますがそれではせっかくの無線のメリットが半減してしまう場合もありますね。

無線カメラの場合は悪意を持った第三者からジャミング被害を受ける可能性もあります。
ジャミングとは、電波妨害の装置を使った妨害行為です。空き巣などが監視カメラの電波に干渉してモニターとの通信を切断させる用途などに、悪用されるケースもあります。

防犯カメラの種類3.その他のタイプ

その他の種類としてソーラー電源タイプや充電タイプなどもあります。
ソーラー電源タイプはカメラに電源をつなげる必要がないため、カメラと録画機器とも無線で接続するものが多くあります。

ソーラー電源タイプのメリット

防犯カメラの設置で頭を抱えがちなのが、「電源の確保」です。
ソーラータイプの場合、太陽光で発電・蓄電ができるので、電源確保のわずらわしさがなくなります。
一般的な防犯カメラは無線タイプであってもカメラに電源が必要なため電気工事が必要になる場合がありますが、ソーラー電源タイプでは電源工事が不要になるため設置の際には電気工事士の資格なども不要です。素人の方でも設置しやすいと言えるでしょう。

ソーラー電源タイプのデメリット

ソーラー電源タイプの防犯カメラは取り付けが簡単なぶん、取り外すのも簡単です。そのため盗難被害に合いやすいというデメリットがあります。
また、天候によって発電量が左右されるのもソーラー電源タイプの弱点です。晴れの日であれば問題ないですが、曇りの日や雨の日が続けば、充分な電力を蓄えられなくなります。さらにいえばソーラー部分に汚れがたまったり、鳥のフンや落ち葉が充電の弊害となったりすることも珍しくありません。

肝心なときに電力が足りず録画ができていなかった、では、防犯カメラとしての機能に不安が残ります。

また、貯めた電力は録画に優先的に使うため、夜間にLEDなどを点灯させ、外部にカメラをアピールすることが困難です。そのためカメラに気づかない空き巣が侵入をしまうといった被害の発生可能性があり、犯罪を未然に防ぐ効果は低くなります。

充電タイプの防犯カメラ

充電タイプの防犯カメラと言えば2021年8月にGoogleから発売された「Google Nest Cam」が有名ですね。ソーラー充電タイプと違いバッテリーが切れる前に充電が必要になりますが、普段陽の当たらない場所でも気にせず設置することができます。なおさすがというかこちらの製品は録画機器とのセットではなく、家庭内の無線LAN(wi-fi)に接続してどこからでもスマートフォンのアプリでバッテリーの充電状態も含めて簡単に管理できるものです。

センサーライト付きの防犯カメラ

夜間も撮影できる赤外線ライト付きのものや高感度カメラもありますが、それとは別にLEDライトが一緒になっているカメラもあります。
夜間でもカメラの存在をアピールでき、また映像をはっきり映しやすいため犯罪の抑止効果や証拠としての能力があがります。

効果的な防犯カメラの選び方

防犯カメラを設置しても、肝心なときに使えなかった・顔が写っていなかったでは意味がないですよね。
きちんと防犯につながるようなカメラを選ぶために、次のことに留意しましょう。

顔が確認できる画素数を選ぶ

顔が確認できる画素数は200万以上の画素数です。
テレビで「コンビニにいる不審者の映像」が放送されているのを、見たことがあるでしょうか。
あの映像を見て、「犯人の顔が全然わからない……」と思った経験のある方も、多くいるかと思います。
一昔前に設置された防犯カメラは画素数は41万画素以下が一般的でしたので小さく映っていてもよくわからないということが多かったかもしれません。

現在のカメラは200万画素以上のものが多く販売されています。200万画素以上のカメラは顔の特徴はもちろん、着ている服のロゴやカメラに写った所持品まで確認可能です。
しっかりした防犯対策を希望する場合は、200万画素以上のタイプを選びましょう。

高感度(暗視可能)なカメラを選ぶ

カメラの画素数が多くても夜に何も映らないのであれば、防犯カメラとしての機能は果たしきれません。暗視可能なタイプで、夜の犯行も見逃さないようにしましょう。
また、夜はLEDが点灯するタイプのカメラだと、空き巣や泥棒がカメラに気づき、侵入を断念する可能性もあがります。

カメラによっては夜には役立たないかも
カメラによっては夜には役立たないかもしれません

防犯カメラ設置の注意点

防犯カメラを設置する際、注意点があります。
自分でやる場合はもちろん、施工会社に設置を依頼する場合も次のことを確認し、設置を依頼しましょう。

カメラの目的に合った場所に取り付ける

防犯カメラには「威嚇」の効果もあります。
なるべく外から見える位置に設置することで、空き巣や泥棒の犯行を未然に防げます。

しかしもし、「いやがらせの証拠を取りたい」といった、撮影したい人物が特定できている場合なら目立たないところに設置をする必要があります。

カメラを設置する理由に適した場所のめぼしを、つけておきましょう。

ただし、近隣住民のプライバシーを侵害する範囲はNGです。
民法709条(不法行為)などに抵触してしまう可能性があるため、写す範囲には注意をしましょう。

防犯カメラに光が当たりすぎないようにする

防犯カメラに光が当たりすぎると、ハレーションを起こしうまく撮影ができなくなります。
かといって暗すぎては、見えづらくなることも。

光の加減がちょうどよく、なおかつ相手の顔がうつるような場所を、あらかじめいくつかリストアップしておくと良いですね。

外壁に穴を開けたくない場合は専用の道具を使う

外に防犯カメラを設置する場合、ほとんどの場合外壁など設置場所に穴をあける必要があります。
壁に穴があくのを避けたい方は、防犯カメラ用の取り付けバンドやクリップなどを使う方法もあります。
ただし、これらの品はカメラの角度調整が難しくなる可能性もあるうえに、補強面でも不安が残ります。

カメラの設置を請け負う施工会社が解決方法を提案してくれる場合もあるため、不安な方は相談をしてみましょう。プロの方に相談すればビス穴の防水加工もしっかりやってもらえます。

カメラの種類によって配線方法は異なる

防犯カメラは種類によって、配線方法が異なります。有線・無線・ソーラーはもちろん、設置するカメラの機種によっても、メーカーが推奨する設置方法に違いがあります。

配線を間違えてしまうと録画がきちんとできていなかったり、モニターが映らないなどのトラブルが発生します。
防犯カメラ設置をプロにおまかせするのであれば心配ありませんが、ご自身で防犯カメラの設置をする場合、かならず取扱説明書と配線図を確認してからスタートしましょう。

まとめ

防犯カメラには種類があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。安定を選ぶのなら有線を、手間や見た目を選ぶのなら無線を、電源から離れた位置に設置したいならソーラーや充電タイプを、といった目的と実際に配線できるのか、無線が届くのか、ソーラーパネルが発電できるのかなどの条件の両方で選ぶのがおすすめです。
正しい防犯カメラの知識と設置で、家族と家を守りましょう。